音楽のある週末 第9回
ジャック・ズーン&今井信子&吉野直子
フルート&ヴィオラ&ハープ・トリオ
報告:井出春夫/会社員/TANサポーター
投稿日:2011.12.11
3つの楽器のソロとアンサンブルが楽しめたとても楽しいコンサートだった
第一生命ホール10周年の10daysの最後を飾るのは、フルート&ヴィオラ&ハープ・トリオコンサートである。ヴィオラの今井信子さんと吉野直子さんを聞かせていただくの久しぶりであり、フルートのズーンさんを聞かせていただくのは初めてだった。お客様は350人前後であろうか。第1曲ヘンデル「トリオ・ソナタ」。ズーンさんの暖かくて美しいフルートが印象的で、音楽が自然に流れ出てくるのが何とも心地いい。
続いてヘンデルの「私を泣かせてください」(細川俊夫編によるヴィオラヴァージョン)。これは確かヘンデルが作曲したオペラアリアでなかっただろうか。最初はソナタ風に始まり、歌はやさしく語りかける丁寧に心をこめて演奏されているように感じる。ヴィオラの深い音色がとても魅力的。
吉野さんによるリスト「愛の夢」(ルニエ編)。これは私の勝手な推測だけれど吉野さんはこの曲が好きなのではないだろうか。彼女のコンサートの曲目によく登場する曲である。私の個人的に言えば、ピアノで聞くよりもハープ編曲版の方が好きである。この曲を聞いていて、何か前に聞いた感じと違う気がした。音楽がというのではない。間違っているかもしれないが、だいぶ前に聞いた時(ティーンエイジャーコンサートの頃)と今回で使われているハープが違うのかなぁ、なんか今回のハープはちょっと鳴りにくそうな感じを受けた。断るまでもないけれど演奏は素晴らしい。フォーレ「幻想曲」は明るく楽しい曲。フランセ「5つの小二重奏曲」も今まで知らなかったがとてもきれいな曲をいい演奏で聞けてわくわくする。武満さんの「そしてそれが風であることを知った」は、それまで何回か聞いていたがそれほど気に留めていなかったけど、その良さを感じられる演奏だった。
フルート独奏の「エア」は、ニコレさんのために作られた曲のようですが、ズーンさんのフルートの音色にもとてもぴったりで素敵な演奏でした。ドビュッシーの「夢」今井さんの弾くヴィオラの高音域の音がとてもきれいで印象的でした。
最後の「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」もとてもいい曲でしたが、それよりもやはり演奏が素晴らしい。それぞれに音が輝いていてとてもよかったです。
アンコールは、「亡き王女のためのパヴァーヌ」。この編成だとどんなだろうと思いましたが素朴な感じが演奏から伝わってきてとても感動しました。3つの楽器のソロとアンサンブルが楽しめたとても楽しいコンサートだったと思います。
公演に関する情報
〈ウィークエンドコンサート2011-2012〉第一生命ホール10周年の10days第10日
音楽のある週末 第9回
ジャック・ズーン&今井信子&吉野直子
フルート&ヴィオラ&ハープ・トリオ
日時:2011年12月11日(日)14:00開演
出演:ジャック・ズーン(フルート) 今井信子(ヴィオラ) 吉野直子(ハープ)