子どものためのクリスマスコンサート
報告:井出春夫/会社員
投稿日:2010.12.23
ホールの中もいつものコンサートとは少し感じが違って仄々としている。
12月23日、第一生命ホール恒例になっているアドヴェント受講生による恒例のクリスマスコンサートが開かれた。この日の公演は、朝10時30分開演のキッズのためのコンサートと16時開演の「クリスマスコンサート2010」の2公演。12月クリスマスの頃ともなると、晴れていても朝は寒い。午前中のコンサートにはどれだけお客さんが来られるのだろうと思いながらホールに向かう。結果としては、ホールはほぼ満員で、それも家族でコンサートにいらした方が多いように感じた。朝のコンサートは出かけてくるには、大変かも知れないけど午後の時間が他のことに使えるという意味では非常に効率がいい。ホールの中もいつものコンサートとは少し感じが違って仄々としている。
最初の曲は、モーツァルト「ディヴェルティメントK.136」テンポがかなり速い。演奏者はかなり弾ける人達なのだが、もう少し余裕があったほうが私はすきだ。
この曲を聞いていてはっとしたことがある。ヴァイオリンがステレオのように聞こえる。
そして、ステージをよく見てみると、ヴァイオリンが左右に分かれて座る対向配置になっていた。今年で10回を数えるクリスマスコンサート(キッズのためのコンサートとしての回数は少ないが)としては、初めてである。確かにこの曲は、この並びの方が魅力的に聞こえる。
パッヘルベル「カノン」は、とても丁寧な演奏。バッハ「主よ人の望みの喜びよ」はチェロがメロディラインを担当した編曲で、聞きやすくとても楽しかった。
そして、クリスマスには定番の「きよしこの夜」(山本祐ノ介編曲)であった。
この曲の終了後、松原先生の呼びかけで子供たちがステージに上がり音楽を聞いてもらう(事前予約制)ため子供達はステージ後方の長椅子に座わった。この際、長椅子に空席ができてしまったところがあり、客席から見るとバランスが悪く感じた。
松原先生による楽器紹介。各楽器の紹介に使われた曲は子供達のよく知っている曲が多く取り上げられた。ブリテンを聞く。松原先生がピツィカートのやり方を説明すると客席で真似をしている子がいたり、楽器紹介の時もそうだったが客席の反応がいい。
シンプルシンフォニーは、骨太のしっかりした演奏である。また、セコンドヴァイオリンは、ピツィカートを胸に抱えながらギターのように弾くなど見せ方などを工夫していて楽しかった。そして、最後は、3人の講師の先生方と普通の並びでドヴォルザークの弦楽セレナード。とても綺麗だった。
このコンサート中ずーと立ってステージを熱心に見ていた男の子がいた。小さな子供達には椅子に座っただけだとステージが見えにくかったのではないかと思う。また、休憩なしで行なうコンサートとしては、子供達には少し長かったのではなかったか。演奏途中でトイレに行かれた人が何人かいた。曲目を減らすか、思いきって休憩をはさんだ方がよかったのではないかと思う。
公演に関する情報
子どものためのクリスマスコンサート
日時:12月23日(木・祝)10:30開演
出演:松原勝也(ヴァイオリン) 川崎和憲(ヴィオラ) 山崎伸子(チェロ) アドヴェント弦楽合奏団