2005.11.25
第6回ビバホールチェロコンクール第1位受賞記念
「宮田大チェロリサイタル」
報告:井出春夫/会社員/2階L2列47番
投稿日:2005.11.25
今回のコンサートは、昨年兵庫県養父市で開かれたチェロコンクールで第1位受賞記念コンサートである。コンサート当日は、朝早くから、養父市のビバホールの方やビバホールのサポータの方が準備にみえられていた。
お客様は、比較的演奏者と同世代の若い方が多かったと感じた。
暖かくも、緊張の中、最初の曲のブラームス「チェロソナタ2番」が始まった。
第1楽章の冒頭部分を聞いて「なんと渋い演奏だろう」と思った。一音一音かみしめるようにしかもあまり多くを語らず、どちらかといえば、朴訥とした語りかけ。
それでいて、音がじわっと体にしみこんでくる感じがする。
ドビュッシーも渋い。
休憩後のプロコフィエフ。この曲は、非常に印象的なチェロのメロディで始まった。
と同時に驚いたのは、前半の表現とは全く違う。この曲には「歌」がきこえた。
変化に富んだ表現は、まるで彼の一人芝居を見ているようだ。アンコールにフォレの「夢のあとに」とファリアの「火祭りの踊り」が演奏された。とても素晴らしい演奏であり、演奏会であった。
これからも、ビバホールのチェロコンクールで選ばれた若いチェリスト達の演奏を第一生命ホールで聞きたいと思う。そして、もし可能なら、コンクールで優勝した人が何年か後再び、ここで演奏会が開け、それが定期演奏会に発展したらとても素晴らしいことだと思う。
公演に関する情報
〈TAN's Amici Concert〉
第6回ビバホールチェロコンクール第1位受賞記念
「宮田大チェロリサイタル」
日時: 2005年11月13日(金)14:00開演
出演者:宮田大(チェロ)、和田晶子(ピアノ)
演奏曲:
ブラームス:チェロソナタ第2番ヘ長調 作品99
ドビュッシー:チェロソナタ ニ短調
プロコフィエフ:チェロソナタ 作品119