活動動画 公開中!

トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
Menu

アーティスト・インタビュー

15周年記念ガラ・コンサート(後編)

室内楽の魅力 モーツァルト 第1回
15周年記念ガラ・コンサート

モーツァルトの名曲の数々

 

161120_Mozart1_top.jpgいよいよ15周年記念ガラ・コンサートが近づいてきました。曲目は、すべてモーツァルトの名曲ばかりです。第一生命がかつて、ザルツブルクにあるモーツァルトの住んでいた家の復元を支援したことから縁があるということもあるのですが、そもそもモーツァルトの作品は、どれもちょうどホールのサイズと音響にぴったりで、至福の時を過ごしていただけること間違いなし。一流の演奏家による、様々な楽器の組み合わせを一度にお楽しみいただける贅沢なコンサートです。


コンサートの幕開けは、モーツァルトがなんと8歳の時に作曲した、かわいらしい ソナタK14 。もともとピアノとヴァイオリンのためのソナタ(あるいはチェロを加えた三重奏)として作曲されているものを、ハープ、フルート、チェロで演奏します。


続いては、ヴァイオリンとピアノによる、フランスのシャンソン 「泉のほとりで」の主題による6つの変奏曲ト短調 。モーツァルトが、ピアノの弟子である伯爵夫人のレッスンのために書いたもの。モーツァルトがヴァイオリンを手に、伯爵夫人を教えたのかもしれませんね。そう考えると松原勝也さんがモーツァルトに、仲道郁代さんが伯爵夫人に見えてくるかも......。ちなみにモーツァルトの数少ない短調の中でも、ト短調の作品は傑作ぞろいです。(交響曲第25番や、交響曲第40番がト短調ですね。)


次の 二重奏曲K423 は、ヴァイオリンとヴィオラのために書かれたものの中でも一番演奏される作品といってよいでしょう。名手ふたりが揃ったところで聴きたいこの曲は、矢部達哉さんと川本嘉子さんによる演奏で。


第1部の最後は、 弦楽四重奏曲K465「不協和音」 。その名の通り、不思議な響きの不協和音ではじまる序奏が印象的。結成10年のウェールズ弦楽四重奏団による演奏です。


第2部は、 ピアノ・ソナタK545 でスタート。ピアノを習った方ならおなじみ「ソナチネ・アルバム」にも入っていますから、弾いた方も多いかもしれません。音楽家の皆さんは、「モーツァルトは一見シンプルだけど、弾くのは本当に難しい」と口をそろえておっしゃいますが、これはその最たるものかもしれません。モーツァルト時代のピアノも自宅にお持ちの仲道郁代さんで、ぜひ作品の本当の姿をお聴きください。


続く ディヴェルティメントK563 は、演奏する松原さんが「モーツァルトが到達したハーモニーとメロディの究極がこの楽章にある」という第2楽章を。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの三重奏です。


「アダージョとロンド」K617 は、もともとグラスハーモニカ(水を入れたグラスの縁をこすって音を出す楽器)のために書かれました。その澄んだ美しい音色によって当時大流行したとか。グラスハーモニカのパートを吉野直子さんのハープで、他に佐久間由美子さん(フルート)、矢部達哉さん(ヴァイオリン)、川本嘉子さん(ヴィオラ)、横坂源さん(チェロ)でおおくりします。K(ケッヘル番号)が600番台に入ると、ほぼモーツァルト死の年の作品とみなしてよいのですが、ハープの美しさとあいまってこの世のものとは思えない音楽に聴こえてきます。


最後はCMなどでもよく使われる天上の音楽、モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K618 を東混ゾリステンによる歌声で。ピアノやオルガン伴奏で聴かれることも多いと思いますが、今回はオリジナルの弦楽器のパートを、ウェールズ弦楽四重奏団が演奏するのも注目です。


モーツァルトの名曲の数々をどうぞご堪能ください。