【プログラム】
♪モーツァルト：オペラ「フィガロの結婚」より序曲
♪楽器紹介
♪石川亮太：山の音楽家じゅんばん協奏曲
♪ファルカシュ：17 世紀の古いハンガリー舞曲集より第3楽章、第5楽章
♪ブルーメル：木管五重奏曲Op.52より第4楽章
♪ミヨー：スカラムーシュより第3楽章「ブラジルの女」

【レポート】
　児童たちは音楽室の普段とは違う雰囲気に驚きつつも、期待と興奮で落ち着かない様子でした。演奏家たちが登場すると、大歓声と共に「いえーい！」「ヒュー！」という可愛らしい声が響き渡り、熱心な拍手が送られました。
　最初の曲は『オペラ「フィガロの結婚」より序曲』です。授業で木管五重奏について学んだ児童たちは、演奏者の「なぜフルートが木管楽器なのか、知っている人？」という質問に、多くの手を挙げました。「昔、木で作られていたから！」という答えに、周囲の子供たちも頷き、誇らしげな表情を浮かべていました。演奏家たちはオーボエ、ホルン、フルート、ファゴット、クラリネットの音の出る仕組みや音色の違いを説明し、児童たちは身を乗り出して一音一音を心に刻むように聴き入っていました。 『17世紀の古いハンガリー舞曲集』では、「演奏者に近づいて好きな位置で聴いてみてね」という言葉に応えて、子供たちは静かに楽器のそばに寄り、音楽の世界に浸っていました。この自由な体験に児童たちは大喜びで、「近くで聴いたら音がすごく大きかった」「ピアノ以外の演奏を見たのは初めてだから感動した」と楽しそうに感想を述べ、その姿はまるで小さな音楽家のようでした。
　 5人の演奏家たちは息の合った演奏を披露し、曲の頭出しもぴったり揃っていました。「私たちは音楽を通じてコミュニケーションをとっています。演奏は私たちにとって“言葉”です。音楽は年齢や言語を超え、心をつなげる力があります。皆さんも音楽を通じてたくさんのコミュニケーションを楽しんでください」と、演奏家の一人が語りかけると、子供たちは興味深く耳を傾け、理解を深めている様子でした。　 そして、最後の曲では大きなサプライズが待っていました。音楽の先生がサクソフォンを持って登場し、シュエットといっしょに『スカラムーシュ』を演奏しました。その情熱的で快活な演奏に、児童たちは目を丸くしました。演奏が終わると同時に「ブラボー！」「すごい！」という元気な声が響き渡り、盛り上がりは最高潮に達しました。
　 素晴らしい演奏を通じて、音楽の魔法を感じる心温まるアウトリーチとなりました。

（トリトンアーツサポーター　観察レポートより）

【子どもたちのアンケートより】
●１人１人ちがう楽器なのにうまく合わせていてすごいなと思いました。
●コンサートを聴いて思ったことは、みなさんが楽しそうに吹いていることでした。笑顔で楽しそうに吹いていたので、私もおもわず笑顔になってしまいました。
●コンサートってこんなに楽しいんだなと思いました！！
●音楽の先生との共演は、今日初めて会ったとは思えない、息のあった演奏だと思いました。
●次の音楽会で、心を一つにして自分のたんとうの楽器をがんばりたいと思いました。