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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 中央区立阪本小学校
2023年12月21日(木) 13:40~14:25
出演 東京混声合唱団より
岡田眞弥(ソプラノ)、下西祐斗(バリトン)北野悠美(ピアノ)
概要 対象者:4年生・5年生・6年生
人数:63名
 
助成等:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート


【プログラム】
♪グノー:私は夢に生きたい~オペラ「ロメオとジュリエット」より *岡田さんソロ
♪ビゼー:闘牛士の歌~オペラ「カルメン」より *下西さんソロ
♪阪本小学校 校歌(発声練習、歌詞を意識して歌ってみよう)
♪ショパン:子犬のワルツ *北野さんソロ
♪弓削田健介:はじまりの歌
♪アラン・メンケン:ア・ホール・ニュー・ワールド~ミュージカル「アラジン」より *デュオ


【レポート】

 演奏者3人が登場し自己紹介をすると、児童たちも緊張感がほぐれ拍手喝さいし、演奏家と児童たちの距離がすぐに縮まった感じがしました。自己紹介のときから、ずっとそれぞれの愛称(下西さんはシモニー、岡田さんはマヤちゃん、北野さんはユーミちゃん) で呼び合い、シモニーは、地元中央区の小学校出身と話すなど、親近感の沸く内容で話されていました。
 演奏家2人それぞれの歌が始まった瞬間、それまでのざわざわ感がぴたっと消え、みんな集中して音楽を聴いている様子が感じられました。マヤちゃん、シモニーとも、広い体育館いっぱいに響く声量で歌われ、マヤちゃんの非常に高く美しい声やシモニーが生徒の至近距離まで近づいて歌うことなど、これまで経験したことのない迫力を実感したのではないでしょうか。★IMG_7599.JPGのサムネイル画像
 次に阪本小学校校歌合唱では、まず児童たちがピアノに合わせ歌いましたが、最初から素晴らしい合唱で、声がよく出ていると思いました。よく歌っている曲であるだけでなく、合唱指導前に、ウォーミングアップとして、ジャンプなど体をほぐすことや、「ポケモン大好き」という歌詞で音階を歌ってみるなどの指導を受けたことも大きいのではないでしょうか。シモニーから、校歌を3つの部分に分け歌い方を変えることや、「詩」の表現の大事さ(たとえば、「ふみわけ」という言葉は、1音ずつはっきりと。ガッツポーズを入れてもいい)の指導を受けると、すぐに歌い方の変化が見られました。指揮に合わせて手を動かしながら歌う児童も見られました。 シモニー、マヤちゃんの指導は、具体的なポイントに絞ったものだったので、児童たちはこれをすぐに理解し行動に移せたのだと思います。★IMG_7569.JPG
 今回のアウトリーチは、限られた時間の中で、演奏家の演奏を聴くことと、児童たちで合唱し指導していただくことの2つをバランスよく行っており、児童たちも集中力を切らすことなく、音楽を楽しんでいたのではないでしょうか。音楽の先生より示されていた今回のアウトリーチで学ぶ3つのポイント、「周りの人と声を合わせる」、「プロの歌手の声のすばらしさを体感する」、「声の響きを感じる」という目標は、多くの児童が達成したように思いました。

トリトンアーツサポーター 観察レポートより


【子どもたちのアンケートより】
●男性の声の迫力に驚いた。自分はみんなと比べて声が低いけれど、そういう声もいかせると思った。(4年)
●歌がうまくなったような気がして、自信がわきました。(4年)
●オペラを聴いたことがなかったので新鮮な体験でした。歌の指導をしていただき、自分でもかなり(たぶん)うまくなったと思います!(5年)
●「歌う」ということは、単に声を出すということではなく、強弱や高低を意識し、そして、思いを込めて言葉をつむぐことだということを感じました。また、歌には作者の思いや伝えたいことが込められているから、それらをくみとって未来へとつないでいくことが「歌う」というものだということを考えました。(6年)

プロフィール

東京混声合唱団  
1956年に創設された日本を代表するプロ合唱団。現在桂冠指揮者を務める田中信昭によって創設され、現在の音楽監督は山田和樹が務めている。東京・大阪での定期演奏会、内外のオーケストラとの共演やオペラへの出演、青少年を対象とした鑑賞音楽教室、海外公演を含む年間150回の公演のほか、数多くのレコーディングやテレビ、ラジオへの出演を行っている。レパートリーは、創立以来行っている作曲委嘱活動で生まれた250曲を超える作品群をはじめ、内外の古典から現代作品までと幅広く、各地の合唱団や青少年との合同演奏、指導者派遣等も精力的に行っている。

文化庁芸術祭大賞、音楽之友社賞、毎日芸術賞、京都音楽賞、レコード・アカデミー賞、サントリー音楽賞、中島健蔵音楽賞などを受賞。オフィシャル・ウェブサイト https://toukon1956.com/
岡田眞弥(おかだ まや/ソプラノ)  
15歳より声楽を学ぶ。浜松学芸高等学校音楽課程、愛知県立芸術大学音楽学部声楽専攻を卒業。大学在学中、アンサンブルグループ「ensembleおいも♪」で、愛知県を中心にアンサンブル公演を多数行う。第45回 愛知県立芸術大学卒業演奏会に選抜出演。これまでに声楽を雪嶋恵美子、玉川昌幸、岡嵜智恵子に師事。現在、東京混声合唱団に在籍。
下西祐斗(しもにし ゆうと/バリトン)  
東京都中央区生まれ。東京音楽大学付属高校、東京藝術大学声楽科を卒業後、東京混声合唱団に入団。これまでに、デュルフレレクイエム、ベートーヴェン第九交響曲、ドボルザークミサ曲、ホルジンガー復活祭交響曲等で、ソリストを務める。またオペラでは、モーツァルト『フィガロの結婚』フィガロ役、『魔笛』パパゲーノ役等を演じる。2022年4月より、東京混声合唱団の、バスパートマスターを務める。
北野悠美(きたの ゆうみ/ピアノ)  
東京都生まれ。3歳よりピアノを始める。桐朋女子高等学校音楽科(共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部を卒業。在学中に日本クラシック音楽コンクール全国大会第4位。イタリア、サルジニアでのセミナーに参加、ジャン=マルク・ルイサダ氏のマスタークラスを受講。ピアノを川田泉、小森谷泉各氏に師事。ほか室内楽や指揮法のマスタークラスにピアニストとして参加し研鑽を積む。現在ソロ活動に加えて室内楽や合唱ピアニスト、東京混声合唱団との共演など幅広く活動を行なっている。