活動動画 公開中!

トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
Menu

レポート

基本情報

日時 2018年11月19日(月)
年中組(30分間)/年少組(20分間)/年長組(35分間)
出演 鈴木絵由子(ヴァイオリン) 加藤美菜子(ヴァイオリン、ヴィオラ) 韮澤有(チェロ) 佐々木大輔(コントラバス)
概要 実施会場:中央区立明石幼稚園 ゆうぎ室
対象者:年少44名、年中32名、年長53名とその保護者
助成等:文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
    独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】

■年少組(20分)
・シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より第4楽章
・楽器紹介
・アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
・アンダーソン:そりすべり
・ロペス : レット・イット・ゴー
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第3楽章
・みんなで歌いましょう 「明石幼稚園園歌」

■年長組(35分)/年中組(30分)
・シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」より 第4楽章
・楽器紹介
・バルトーク:44の二重奏曲より 第14番 クッション・ダンス
・ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲より 第1楽章
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第1楽章(年長組のみ)
・アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク
・ドビュッシー:月の光
・みんなで歌いましょう 「まっかな秋」(年長組のみ)
・アンダーソン:そりすべり
・ロペス : レット・イット・ゴー
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第6番より 第3楽章
・みんなで歌いましょう 「明石幼稚園園歌」


【レポート】

■演奏者の登場に、年少組・年中組は少し緊張したような雰囲気が感じられ、年長組はすでに盛り上がっている様子が窺えました。

しかし、最初のシューベルト《ピアノ五重奏曲》「鱒」より第4楽章がはじまると、どの年代の子どもたちも静かにまっすぐと演奏者を見つめ、真剣に演奏に聴き入って(というよりは演奏と楽器に見入って)いました。

■楽器紹介では、楽器の大きさや色、音の高低の違いを元気に指摘してくれました。特に、子どもたちよりも大きなチェロやコントラバスには注目が集まり、年長組からは楽器の運び方の質問まで出てくるほどでした。

演奏者と聴衆(子どもたち)に隔たりがなく、より近くで楽器を見せることができ、演奏や楽器に注目が集まりやすかったのだと思います。

編集済みaIMG_6699.jpg

■子どもたちの知っている曲アンダーソン《そりすべり》やロペス《レット・イット・ゴー》は、とても反応が良く、曲名を当てたり、歌を歌っていたり、演奏者と一緒になって楽しんでいる様子でした。

またそれらは季節に合わせた楽曲選定で、「ハロウィンが終わって次に楽しみなイベントは何かな?」「クリスマス」といった掛け合いの中でプログラムが進行できるよう構成されていて感心しました。

その他の曲も、演奏前に各楽曲の特徴を言葉で説明することで、次の楽曲に対する期待感を膨らませることができていたと考えられました。
楽曲自体も短く編曲されており、長時間同じ曲を聴いて飽きることがないよう配慮されていると感じました。

■最後の曲《明石幼稚園園歌》での元気いっぱいの歌声と、アンコールの久石譲《崖の上のポニョ》でのノリノリの手拍子によって、コンサートはより一層の盛り上がりを見せ、終了しました。

【全体を通して】

■楽曲間には、子どもたちと一見他愛のないような会話をしていましたが、それが、演奏やテンプレートとなっている話の内容以外にも、多くの情報を子どもたちに与え、同時に共有できているのだと感じました。

■保護者の方に連れられて来ていた年少以下の年齢の子どもたちも見入っていました。アンダーソン《プリンク・プランク・プルンク》で一緒に手拍子するなど楽しんでいる様子が見られました。

■どの曲も飽きることなく最後まで聴いていた子どもたちからは「楽しかった」「また来てね」などの感想があがりました。出演者の退出時には手を振ってお見送りしてくれる園児もおり、本当に楽しんでいた様子が伝わってきました。

(インターン小野寺 真美 観察レポートより)

プロフィール

鈴木 絵由子  Suzuki Eyuko(ヴァイオリン)
3歳よりヴァイオリンを始める。 桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。第13回アジアクラシック音楽コンサート金賞受賞。第6回日本アンサンブルコンクール室内楽部門優秀演奏者賞(最高位)受賞。第6回大阪国際音楽コンクール デュオ・アンサンブル部門第1位とグランドファイナルにてラヴェル賞受賞。
加藤美菜子  Katou Minako(ヴァイオリン、ヴィオラ)
東京音楽大学卒業、同大学院修了。2013年、2014年と勉強のため夏は渡仏、Fugato academy festival 2013にて第3位入賞。弦楽アンサンブル「まちかど室内楽団」コンサートマスターとして埼玉県で、ピアノトリオ「浅間山重奏」として長野県で活動中。東京室内管弦楽団ヴァイオリン奏者。
韮澤有  Nirasawa Yu(チェロ)
桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学院大学修士過程修了。 桐朋オーケストラ・アカデミー研修過程を修了。第11回札幌ジュニアチェロコンクール奨励賞受賞。これまでに4回のソロリサイタルを開催するなど自身の活動を続ける傍ら、室内楽やオーケストラ等様々な編成で演奏活動を行う。チェロをこれまでにヴァーツラフ・アダミーラ、倉田澄子、岩崎洸の各氏に師事。室内楽を岩崎淑、藤井一興、藤原濱雄、等各氏に師事。
佐々木大輔  Sasaki Daisuke(コントラバス)
16歳よりコントラバスを始める。東京藝術大学器楽科卒業後に渡米、アメリカフロリダ州リン大学にてディプロマコース修了。PMF、サイトウキネンフェスティバル松本、別府アルゲリッチ音楽祭などに参加。これまでに信田尚三、永島義男、山本修、西田直文、石川滋の各氏に師事。現在フリー奏者としてオーケストラ、室内楽、ソロ、スタジオレコーディングなど様々な活動をしている。バッハのゴルドベルク変奏曲を清水靖晃&サキソフォネッツと共演したCD「ゴルドベルク ヴァリエーションズ」が発売中。