日時 | 2016年12月12日(月)10:45~11:30/11:35~12:20 |
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出演 | 浜まゆみ/金丸寛(マリンバ) |
概要 |
実施会場:中央区立阪本小学校音楽室 対象者:小学5年生1クラス、小学4年生1クラス 人数:合計49名(5年生29名/4年生20名) 助成等:文化庁「平成28年度劇場・音楽堂等活性化事業」 |
雲ひとつない青空が広がる12月半ばの冷えた朝、中央区立阪本小学校で浜まゆみさんと金丸寛さんによるマリンバの演奏会を行いました。今回は5年生と4年生の生徒さんたちです。
お箏が音楽室や廊下にずらりと並んでいて、日本の伝統楽器に力を入れている阪本小学校ですが、今日は、珍しいマリンバの演奏会。生徒さんたちもとっても楽しみにしていたようです。
キラキラした目で音楽室に入ってきた子どもたち。
いつもの音楽室にとても大きなマリンバが2台あって、みんなビックリ!
この楽器からどんな音が鳴るのかな? ワクワクドキドキ、演奏が待ちきれない様子です。
浜さんと金丸さんが入場して、楽器の前に立つと、一瞬、時が止まったかのように、みんなマリンバに集中。
さぁ、演奏が始まるよ!
「ジャーン!」 最初のシンバルの大きな音にちょっと驚いたけど、想像していた以上に早くて軽快な動きと、美しい音色! 4本のバチを自由自在に操って、踊るようにマリンバを演奏するお二人の姿にみんな釘付けです。そして、だんだん演奏につられて、リズムに合わせて体が動き出したり、ピョンピョン飛び上がる子も。
「今の曲のタイトル、知ってる?」
聴いたことはあるけれど、タイトルを知らない曲って意外にたくさんありますよね。
「どんな場面で聴いたかな?」 「このメロディーは何を表しているのかな?」
曲のイメージをふくらませて、どんなタイトルか考えてみました。
こうやって、いろんな角度から音楽を聴いてみると面白いね。
マリンバは木でできた鍵盤を、「マレット」という名前のバチで叩いて振動させて音を鳴らします。カラフルな毛糸が巻かれていて、弾力がそれぞれ異なり、同じ鍵盤を叩いてもマレットによって音色が全然違ってくるそうです。試しに浜さんが大きなマレットで思いっきり鍵盤を叩くと、鍵盤が激しく震えて、みんな騒然! そして、「鍵盤の気持ちになってみよう!」と、一人ひとりが振動を体験。「うわっ!」「いたいっ!」「ビリビリきた!」と、子どもたちも振動で思わず声が出てしまいました。
人間の声も、喉にある声帯が震えて音が出ているという事を教えてもらうと、みんな喉に手を当てて、自分の振動を感じていました。
マリンバの鍵盤のすぐ下には、音程によって長さが異なるパイプがついています。
このパイプに共鳴させるときれいな音がするのですが、パイプをふさぐと・・・?
浜さんと金丸さんが実験や説明をするたびに、子どもたちは驚いたり、歓声をあげたり、興味津々にのぞき込んだり、大盛り上がりでした。
マリンバの魅力に惹きつけられた子どもたちは、次の曲が聴きたくてしょうがない様子。「次は?次の曲は?」とせがむ場面もあり、演奏を聴くのをとても楽しんでいました。
学校にある木琴を浜さんが演奏されたり、マリンバのすぐ近くにみんな集まって演奏家と同じ目線で鑑賞したり、マレットによる音の変化がわかりやすいよう、マレットを変える度に次のマレットを見せてから演奏してくださったり・・・と、子どもたちの興味を最後まで惹きつける素晴らしい構成でした。
また、演奏会終了後、5年生の生徒さんたちが音楽室を退室する時、急きょ「Over the Rainbow(虹のかなたに)」を演奏していただきました。リハーサルの時に、音楽担当の先生から、5年生はこの曲を合奏したことがあると教えていただいたので、その場で当日の演奏曲に追加されたのです。子どもたちが知っている曲を演奏することで、さらに興味を持ってもらいたいというお二人の気持ちが伝わる演出でした。
曲の最後まで聴きたそうに後ろ髪を引かれながら音楽室を出ていく子どもたちの姿が、楽しかった時間を物語っていました。
阪本小学校は、1873年に開校し、140年以上の歴史があります。戦前に建てられたという趣のある現在の校舎は、たくさんの子どもたちを見守ってきましたが、老朽化のため今年で最後だそうです。
この校舎で過ごした楽しい時間とともに、今回の演奏会も子どもたちの記憶に残るといいなぁと思います。
(トリトンアーツ・スタッフ)