日時 |
2016年 箏の演奏体験 9:35~10:20/10:30~11:15 ミニコンサート 11:30~12:15 |
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出演 |
日本音楽集団 米澤浩(尺八)、熊沢栄利子(箏) |
概要 |
実施会場:中央区立月島第一小学校視聴覚室 対象者:小学4年生2クラス 人数:合計60名(1組31名/2組29名) |
第一生命ホールから徒歩5分以内の近所にある月島第一小学校。毎年、お箏の体験とミニコンサートによるアウトリーチを4年生の児童の皆さんにお届けしています。今年はどんな児童たちと出会えるのでしょうか。
まずはお箏の体験をクラスごとに行います。45分間という短い時間で、初めてお箏に触れる児童たちが「さくらさくら」を1曲通して弾けるようになるというプログラムで、2人でペアになり、お互い協力し合いながら、リレー形式で体験してもらいます。
米澤さんによる分かりやすい説明と、熊沢さんの実演により体験を進めるのですが、頭でわかっても、実際に演奏してみると難しく、なかなか思うように弾けません。でも、熊沢さんやボランティアスタッフが、教室中を見て回り、児童一人一人の習熟度を観察し、個別でも指導するので大丈夫。最後は皆さん上手に「さくらさくら」を合奏出来るようになるのです。
お箏の楽譜が1枚ずつ配られるのですが、楽譜に書いてある数字(音符ではなく、弾く絃の番号が書いてあります)を見ながらお箏を弾くのはとても大変です。楽譜を見ていると、手元(お箏の絃)が見えないし、手元をみていると楽譜が見えず、次にどの絃を弾けば良いのか分からなくなってしまいます。そんな時に、ペアを組んでいる友達が大活躍。弾いていない児童が楽譜を「なな、なな、はちー」というように読み上げて演奏中の児童を助ける姿が印象的でした。
お箏は絃を弾けば誰でも音が出せるのですが、児童たちの想像以上に絃が固かったようで、なかなか思うように良い音が出ませんが、米澤さんと熊沢さんの指導と応援で、会場に響く音色が少しずつ良い音に近づいてゆきます。良い音が出せた児童の満足そうな笑顔に、見守る側も大満足です。
お箏の体験の後は、米澤さんと熊沢さんによる尺八とお箏のコンサートを鑑賞してもらいました。
お箏の体験をした直後なので、皆さん、熊沢さんがなんであんなに良い音で上手に弾けるのか、とても興味津々だったようです。「すげー!」「はやすぎる!」「何で大きな音が出せるの?!」などとつぶやいたり、膝立ちになって真剣に見入っている児童たちが沢山いました。
尺八も初めて生で聴く児童が多かったようで、独特の風合いのある音色に皆、興味津々。古典本曲「鹿の遠音」では、曲の中で鹿が何回鳴いているのか数えながら聴いている児童もいました。
宮城道雄作曲「春の海」から、日本独特の美意識を象徴するオノマトペ(擬音語・擬態語)を学んだり、吉松隆作曲「双魚譜」から、尺八と箏が一緒に演奏することの素敵さを感じてもらったりと、盛り沢山な内容のコンサートで、児童だけではなく、先生方も楽しんで下さいました。
会場となった視聴覚室は6年生の教室の目の前にあるのですが、休憩時間中に「お箏の体験とコンサート、覚えているよ!楽しかった!」と、講師・出演の米澤さん、熊沢さんに言いに来てくれる児童たちがいました。今年体験してくれた児童たちにとっても、今日の体験とコンサートが良い思い出となりますように。
(トリトンアーツ・スタッフ)