毎年桜の季節に、アートはるみで行われるのが恒例となっていた音楽会は、昨年まで主催を担っていた中央区の介助の市民団体「築島散歩の会」から引き継ぎ、昨年立ち上げられた市民団体「おさんぽ応援団」により、今年も開催することができました。
お客様は高齢者福祉施設の方や介助の方などで、桜並木を眺めてお散歩しながら、会場のアートはるみにやってきます。
記念すべき第1回に登場した音楽家はマリンバの浜まゆみさんと金丸寛さん。この季節にぴったりの滝廉太郎「花」で音楽会が始まりました。
浜さんは、事前にお伝えしていたリクエストと、今回の音楽会の目的や開催時期をふまえて、この日のためにぴったりなプログラムを用意してきてくれました。横山 菁児「日本のわらべ歌」より「さくら」「お江戸日本橋」、西川利夏編曲「日本のうた」、美空ひばりの名曲「川の流れのように」など、誰もが知っている懐かしい曲が演奏されました。会場内からは時おり歌詞を口ずさむ声も聴こえ、マリンバのやわらかくて深みがある木の音色で、馴染みの曲が演奏されることを、とても楽しんでいらっしゃる様子でした。
また、リムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」では浜さんと金丸さんがマリンバの周りを蜂のように回りながら演奏したり、ルロイ・アンダーソンのメドレーでは、タイプライターという曲に合わせて、「呼び鈴」を演奏しながらマレットでたたいたり、モーツァルト「トルコ行進曲」ではみんなでボディパーカッションをしたりと、見て楽しい、体験して楽しい盛りだくさんの内容でした。
音楽会の最後にはみなさんで「ふるさと」を合唱して会場内が一つになり、さらに終演後には、マリンバの体験会も楽しんでいただきました。
この音楽会には47名ものボランティアが参加し、その中で車椅子のお客様の付き添いをされた方は「会場へ来る時のお散歩ではあまり反応のなかった方が、コンサートと体験の後の帰り道ではとっても和やかにいろいろとお話ししてくださって、音楽のパワーを感じました」と語ってくれました。
(トリトンアーツスタッフ)
主催:おさんぽ応援団(中央区市民団体) 協力:トリトン・アーツ・ネットワーク