「室内楽アウトリーチセミナー」の2回目のアウトリーチは日本橋小学校の4年生2クラスが対象でした。プログラムは前回の阪本小学校と同じですが、学校のリクエストで「威風堂々」を授業で学んでいるということで、ベートーヴェンの「よろこびのうた」の代わりに演奏をしました。
<プログラム構成>
ハーモニーを聴いてみよう
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「ラズモフスキー第3番」より第1楽章の冒頭
♪自己紹介と楽器のお話
ハーモニーの移り変わりを感じてみよう
♪児童たちに「ラ」の音を歌ってもらい、弦楽四重奏でハーモニーを重ねて実験します
♪エルガー:威風堂々
音楽のおしゃべりを感じてみよう
♪モーツァルト:弦楽四重奏曲「狩」より第1楽章
演奏者がそれぞれ登場人物に成りきっておしゃべりをしているように教室内を動きながら演奏し、その後もう一度今度は座って演奏します
コンサートのように音楽を聴いてみよう
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲「ラズモフスキー第3番」より第1楽章
最後に日本橋小学校校歌を共演
12月7日の阪本小学校アウトリーチの後に振り返りを行い、子どもたちに対する話の仕方やモーツァルト「狩り」ではもっと伝わるようにオーバーリアクションにしたほうがよいなどの反省を踏まえて改善をしました。
事前の先生のお話では、男の子たちが少し落ち着かないということでしたが、当日は目の前での演奏ということもあってか興味津々で最後まで集中して聴いてくれている様子でした。
(子どもたちの感想より)
・「ハーモニー」をこんな風にうみだすとは知りませんでした。「おしゃべり」は立って動いてひいているときは楽しくしゃべっているようだったけど、座ってひいている時はちがう曲に思いワルツをおどっているみたいでとてもきれいでした。くふうをしたりすると音楽がもっと楽しくなるということがすごいと思いました。
・わたしはピアノを習っています。いままで曲としてひき聞いていましたが、でも今回、曲をおしばいとして聞くことを習いました。これから楽しんでいこうと思いました。
小学4年生で「和音の違いを感じとる」ということには個人差があるように思いました。聴いたらわかるはずという思い込みで進めていくと置いていかれてしまう子がいることを感じ、より丁寧にフォローをしていく必要があることが分かりました。
アウトリーチはわかる子だけわかればいいということでなく、また、わかりやすくするために子どもに寄ったプログラムにすればよいということでもなく、10歳という年齢の子どもたちに真摯に向き合う難しさを何十年携わっていても感じます。
(トリトンアーツスタッフ)