隅田川の桜が咲きだした3月最後の土曜日、中央区の介助の市民団体「築島散歩の会」と共催で「桜・桜・桜が咲いた出前音楽会」と題したコンサートを行いました。
お客様は晴海地区の高齢者福祉施設入所者と、介助のボランティアなど約130名。会場となる「アートはるみ」までは、桜並木道をゆっくり散歩して、お花見を楽しみながら向かいます。今年は特別に、会場内へグランドピアノを持ち込んで、ピアニストの竹村浄子さん、ヴァイオリニストの平澤仁さんによるデュオ・コンサートをお届けしました。
この季節にぴったりなヴィヴァルディの<四季>より「春」、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ「春」や、客席の皆さんが思わず口ずさんでしまった「日本の歌メドレー」、美しい音色が体に染み込んできそうな「タイスの瞑想曲」など、竹村さん・平澤さんの優しくて楽しいトークを挟みながら、選りすぐりの10曲が演奏されました。最後は恒例の滝廉太郎作曲の「花」を皆さんで合唱し、会場内は笑顔で満開となりました。
また、終演後にはグランドピアノの体験会が行われました。お客様の出す1つの音に合わせて竹村さんが連弾を始めると、なんとベートーヴェンの「歓喜の歌」が演奏できてしまいました。弾き終わった方はみんな嬉しそう。
お客様の中には、目に涙を浮かべて出演者に「ありがとう」とお礼を言う方もいらっしゃいました。会場の飾りつけや、お客様案内、片付けにいたるまで、ボランティアの皆さんも楽しみながら協力し合っていました。手作りの温かさと、生演奏の素晴らしさが印象的なアウトリーチでした。
(TANスタッフ)