月島第二小学校でのアウトリーチについて報告いたします。ピアニストの田村緑さんが四年生2クラスの子どもたちに、クラシック音楽の楽しさを体験させてあげよう、という企画でした。
2014年12月19日の3限、四年1組。キラキラ星の演奏でオープニング。約240年前のはやり歌が今も歌われ弾かれ続けている、こんな風に生き残ってきた心に残る音楽、それをクラシックっていうのよ、みんなと一緒に楽しみましょうね、と導入。2つ目は、屋根を外したピアノの周りに子どもたちを集めて、響板のはたらきを説明するなどして、クイズ感覚でピアノの構造・しくみに関心をもたせ、最後には田村さんから子どもたちへ“ピアノ博士”の称号が授与されました。子どもたちは演奏中のピアノの下にもぐり響板に自分の手のひらを当ててそのはたらきを体感しました。3つ目は、ラヴェルの“水の戯れ”を聴く、でした。聴き方にひと工夫、ふた工夫アリで、「孤」(筆者注:孤独の孤、友達と干渉なしの状態と思われました)となって床に寝転がって聴く、その結果できた水のイメージを紙に色鉛筆で表現する、というものでした。これは難しいぞ! とは筆者の感想。
4時間目は四年2組の番です。さっきのリピートですから、省略します。少しゆとりができたサポーターはゆっくりピアノ演奏を楽しみました。
昼食をはさんで5時間目は、音楽室をコンサートホールに変身させ、みんなでピアノリサイタルに出かける設定。コンサートの臨場感を盛り上げるために、四年生の教室では「田村緑ピアノリサイタル」のポスターを貼ったそうです。プログラムは(1)ショパン「子犬のワルツ」、(2)ムソルグスキー「展覧会の絵」(一部)、(3)ラヴェル「水の戯れ」、最後は(4)絵本「ぼくにピアノがひけたら」とアンダーソン・ピアノ曲集の合体。
(2)では、作曲の経緯や組曲の構成について簡単な説明があってから、ハルトマンの絵(古城、卵の殻をつけたひな鳥のバレエ、キエフの大門など、もちろん複製画)を私たちがピアノの脇に立って子どもたちに示しながら、演奏を聴きました。絵から受ける印象と曲の印象がよく合っていることを確認することもできました。
(4)は、絵本をスクリーンに移しながら(TANスタッフ)、「ぼくにピアノがひけたら」を読み聞かせ(音楽担当の先生)、絵本にマッチしたアンダーソンの曲を聴くという趣向でした。絶妙な間をもった朗読と演奏は、さすが音楽の達人どうしの阿吽の呼吸に感心しました。
最後のアンコールではトルコ行進曲を披露。田村さんはコンサートの約束事としてアンコールの求め方も伝授されました。このように、子どもたちはクラッシック音楽を楽しめたこと間違いなかろうと思いますし、私サポーターは音楽のハートと脳みそをブラッシュアップでき楽しい一日でした。
TANサポーター 山本