この日は4年生2クラスに対して金管五重奏と打楽器のアウトリーチコンサートが行われました。期待を膨らませて座っている子どもたちの前に演奏者が入場し、1曲目の「プロムナード(アンダーソン)」の演奏で始まりました。ほとんどの子どもたちはお行儀よく聴いていますが、中には早くも膝でリズムをとっている男の子がいます。演奏が終わると、トロンボーン奏者の佐々木さんがグループ紹介や曲についてお話をしました。
次にホルン奏者の高橋さんが、「楽器の音はどうやって出すのか分かりますか?」と子どもたちに問いかけましたが、リコーダーのように吹けば音が出ると思っていた子どもたちは、バズィングという唇を震わせる奏法で音を出す事を知り、とても驚いた様子でした。子どもたちの興味を引き出したところで演奏したのは、「星に願いを」でした。
次に佐々木さんがトロンボーンの楽器説明をして、スライドを動かしながら子どもたちの近くを回りました。大きな音に耳を塞ぐ子や、音の高低に笑い出す子どもなど様々な反応を見せていました。演奏はトロンボーンの特性を生かした「ラッサス・トロンボーン(フィルモア)」でした。
次にチューバ奏者の仁藤さんが楽器説明をして、「動物の謝肉祭より‘象’(サン=サーンス)」を演奏しました。時折ベルの先を子どもに向けて、チューバの低音をダイレクトに感じさせていました。
そしてトランペット奏者の亀山さんが楽器説明をした後、「次の曲はトランペットが3人必要だけど、今日は2人しかいないんだ。」と困っていると、豊海小学校音楽の山本先生がトランペットを持って登場し、サプライズで共演となりました。曲は「トランペット吹きの休日(アンダーソン)」です。子どもたちはワクワクした表情で聴いていました。
そして次は楽器体験コーナーです。10人の子どもたちがトランペット・ホルン・トロンボーン・チューバの各楽器の音出しに挑戦して、みんな何とか音を出すことに成功しました。それから全員でバズィングを練習してから、TANBRASSの「バズィング・ワルツ」に合わせて共演しました。
次に打楽器奏者の五田さんが、小太鼓を両手のスティックで交互に2回ずつ叩く演奏法を紹介し、「僕は長年修行したからこの技を習得しました。みんなは膝を打つ事で一緒に勝負しよう!」と言いました。「そんな事は簡単!」と思って膝を叩く子どもたちも、次第に速くなり、全く追いつけなくなると、「スゲー!」と声があがり、その早技に大盛り上りでした。演奏はドラムの技法を生かした「スイングしなけりゃ意味ないね(デューク・エリントン)」でした。
最後は音楽の授業でも扱う「サウンド・オブ・ミュージック」から「サウンド・オブ・ミュージック」「ドレミの歌」「エーデルワイス」「すべての山を登れ」と、アンコールに「リパブリック讃歌」を演奏して、この日のプログラムは終了しました。「金管楽器に興味を持った人?」と言う問いかけに、多くの子どもたちが手を挙げました。この日は楽しそうにノリノリで手拍子する姿や子ども同士目を見合わせて笑う姿など、楽しさを共有している子どもの姿が多く見ることができたアウトリーチでした。
サポーター 鈴木香代子