日時 |
[1]2012年10月23日(火)8:40~9:25/9:30~10:15 [2]2013年1月18日(金) [3]2013年2月26日(火)11:25~12:10 |
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出演 | 北見春菜/福崎雄也(ヴァイオリン) 柳瀬省太(ヴィオラ/講師) 佐藤翔(チェロ) |
概要 |
実施会場:中央区立日本橋小学校 [1]音楽室 [2]ランチルーム [3]体育館 対象者: 4年生2クラス 人数: 60名 助成・後援:中央区文化・国際交流振興協会 平成24年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業 |
社会の中での音楽家の役割を考える、「室内楽アウトリーチセミナー」の一環として、日本橋小学校の4年生2クラスを対象に、3回にわたって行うアウトリーチの1回目。セミナー講師であるヴィオラの柳瀬省太と、受講生の北見春菜、福崎雄也(ヴァイオリン)、佐藤翔(チェロ)が弦楽四重奏を組み、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」を題材に、「弦楽四重奏で、それぞれの楽器がアンサンブルの中で果たす役割を知ってもらう」「想像力を働かせながら音楽を聴けるようになる」ことをねらいとし、10月から2月にかけて3回のプログラムを組み立てました。
第1回目は、アンサンブルについて理解をしてもらうこと、自由に想像しながら音楽を聴いてもらうことをねらいとしました。
まずはモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」をごあいさつ代わりに演奏。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」では、主に第1ヴァイオリンがメロディーを担当し、他のメンバーは伴奏の役割を担いますが、弦楽四重奏では、時には、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがメロディーを演奏します。ハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」の第2楽章を例に、それぞれがメロディーを担当している部分を聴いてもらいました。また、第1ヴァイオリンだけが演奏しているところに、チェロが入り、第2ヴァイオリンが入り、最後にヴィオラが加わり、違いを聴きました。人数が増え、4人で演奏するとより豊かな音楽になることが分かったようです。
後半は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」の第1楽章を聴きながら、子どもたちに想像したことをたずねました。最初のテーマの部分では、「楽しい感じ」「野原」「朝の牧場」「港」など、中間部では「男の子が悲しんでいる」「みどりがいっぱい」、最後は「騒がしい都会」「激しい感じ」「危ない」などの声があがり、子どもたちが本当に色々なことを想像しながら聴いてくれたことに驚きました。
最後には、お返しとして子どもたちが「さくら」を歌ってくれました。
©藤本史昭
第2回目は、弦楽四重奏を編成する楽器について知ろう、というねらいで行いました。まずは、モーツァルトのディヴェルティメントK.138の第1楽章でごあいさつ。その後、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが、それぞれバッハの無伴奏曲を演奏しながら、楽器の説明をしました。楽器が大きくなるにつれ、音が低くなること、楽器による音色の違いが分かってもらえたようです。
続いて、弦楽合奏以外の編成も聴いてもらおうと、第1ヴァイオリンとチェロ(弦楽合奏の外声)によるハルヴォルセン作曲「ヘンデルの主題によるパッサカリア」と、第2ヴァイオリンとヴィオラ(同じく内声)によるモーツァルト作曲「二重奏曲K.423」第3楽章を演奏しました。
第3回目で、弦楽四重奏曲を全楽章通して演奏し、聴いてもらうための布石として、最後に、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」の第2楽章、第4楽章を続けて演奏しました。各楽章の雰囲気の違いを感じてくれたようです。
子どもたちからは、お礼としてクラスごとにそれぞれ「ソーラン節」「てぃんさぐぬ花」の合奏がありました。11月の音楽会で発表した曲ということで、迫力のある素晴らしい演奏でした。
©藤本史昭
第3回目は、コンサートのように体育館で行い、30分かけてドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」を全曲とおして聴いてもらいました。それぞれの楽章にストーリーを考え、聴く時のガイドとして各楽章の前に紹介してから演奏しました。(第3楽章と第4楽章は続けて演奏したので、第3楽章の前にまとめて紹介。)
今回の生徒からのお礼は、やはり11月の音楽会で発表した「ジャパネスクページェント」。鍵盤ハーモニカやリコーダー、木琴に、お琴や大太鼓やピアノもある大編成での演奏でした。
最後に弦楽四重奏のアンコールとして、ディヴェルティメント第2番K.137の第2楽章を演奏しました。
自分たちの教室に戻りながら、大声でドヴォルザークの「アメリカ」の第1楽章のテーマを歌っている男の子がいて、子どもたちにも印象に残るアウトリーチになったのではないかと感じました。