ピアノのご先祖様のフォルテピアノに興味津々な とりさん と トンちゃん。
10月8日に第一生命ホールであるフォルテピアノ・デュオのコンサートに出演する、小倉貴久子さんと川口成彦さんに、フォルテピアノについて、トリトンアーツのスタッフと一緒にお話をうかがいました!
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トリトンアーツ:フォルテピアノを始めたきっかけを教えてください。
小倉貴久子さん:東京藝術大学大学院のピアノ科在籍中に、休学してオランダに留学しました。オランダでもピアノ科の学生だったのですが、チェンバロ奏者のレオンハルトのコンサートでの、その素晴らしい演奏に、まさに「眼から鱗」が落ちたのです。「これは一体何が行われているのだろう!? この世界を知りたい!」と、その衝撃的で魅惑的なピリオド奏法(作曲家が生きていた時代の演奏スタイル、方法)にはまってしまいました。ちょうど、アントワープでインマゼールがフォルテピアノ・フェスティバルを開催しておられ、たくさんのフォルテピアノを弾いたり聴いたり、ブルージュ国際古楽コンクールのアンサンブル部門に友人と出場して優勝したことをきっかけに、本格的にフォルテピアノ演奏研究を始めました。
川口成彦さん:20 歳になるまで古典派(ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが活躍した時代の音楽)の作品をどのように弾けば良いのか、感覚的にも迷子になっており、当時在学していた東京藝術大学の楽理科の先輩にフォルテピアノの副科実技を勧められてフォルテピアノのレッスンを受けることを決めました。
もともと古楽器をある意味「音源参考資料」的に感じていた当時の私でしたが、小倉貴久子先生の最初のレッスンから一気にフォルテピアノの魅力に惹き込まれ、「もっと学びたい!!」と思いました。小倉先生でなかったらフォルテピアノを続けてなかったかも、と思ったりもしています(それぐらいまずレッスンが楽しかった!!)。
トリトンアーツ:2 人で弾くというと、連弾を思い浮かべる方も多いと思います。2台ピアノと連弾の違いを教えていただければ。
川口成彦さん:連弾と2台ピアノの一番の違いは、二人の奏者が両者共にピアノの全音域を支配していることでしょう。それにより、2 台ピアノよりもシンフォニックな音響効果を生み出すことが出来、華麗です。その華麗さゆえに2 台ピアノの音楽はエンターテイメント要素も強いと思いますが、モーツァルトの作品のように芸術性を大きく保持しているものも沢山見られ、2台ピアノの世界は大変奥深いです。
トリトンアーツ:最後に、2台ピアノの醍醐味、たのしさ、魅力を教えてください。
小倉貴久子さん:ふたりで演奏することで、響きの奥行き、豊かさや多彩さが、×2ではなくその何倍もの広がりや可能性が生まれることが醍醐味です。溶け合って美しい世界を描いたり、愛の二重奏のようなデュエット、時には丁々発止に掛け合いをしたりと、同じタイプのフォルテピアノ2台でのアンサンブルはとっておきの瞬間の連続だと思います。今や世界に羽ばたく素晴らしい演奏家に成長した、愛弟子の川口成彦さんとの共演、今からワクワクしています!
川口成彦さん:2 人で1 つのピアノを弾く連弾に比べると2台ピアノの方が個々の奏者が「独立した個」として存在することが出来、その2つの個性が交響的に融合する面白さが2台ピアノに醍醐味だと思います。2つの楽器で織り出される響きの世界は、1台の楽器だけでは決して作り出すことの出来ない豪華なものです。フォルテピアノでの2台ピアノ作品の演奏となると2つの楽器の個性も大きく融合するので大変面白いです。
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とりさん: 作曲家が生きていた時代の楽器・演奏スタイルを通して見える世界・・・どんな感じなんだろう。
トンちゃん:2人の素晴らしい音楽家、2つの異なる個性をもつ楽器の相乗効果で、面白さ無限大! コンサートが楽しみで待ちきれないよ!
とりさん:音楽ライターの山野雄大さんによる、お二人のコンサートについての詳しいインタビューもトリトンアーツのwebサイト(こちら)で読めるって!
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雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第27回
小倉貴久子&川口成彦 フォルテピアノ・デュオ
■日時:2021年10月8日(金)11:15開演
■会場:第一生命ホール
■出演:小倉貴久子/川口成彦(フォルテピアノ)
山野雄大(プレトーク)
■曲目
モーツァルト(補筆:R.レヴィン):2台のフォルテピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調 K deest
モーツァルト:2台のフォルテピアノのためのフーガ ハ短調 K426
J.C.バッハ:2台のフォルテピアノのためのソナタ ト長調 Op.15-5
モーツァルト:2台のフォルテピアノのためのソナタ ニ長調 K448