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とりさん と トンちゃん ~アンサンブルってなあに? Op.5-1
≪吹奏楽でおなじみの楽器も! 木管五重奏って? アンサンブル・ミクスト インタビュー①≫ の巻

2021年7月31日

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第一生命ホールである木管五重奏のコンサートを一緒に聴きに行くことにした、とりさんとトンちゃん。
コンサートに出演するアンサンブル・ミクストの皆さんに、トリトンアーツのスタッフがインタビューするとのこと。とりさんとトンちゃんも横で一緒にお話をきかせてもらいました!(4回にわたって当ブログへ掲載します)

前回のブログ≪木管五重奏ってどんなアンサンブル?≫はこちら

トリトンアーツ:それぞれの楽器の特徴や、木管五重奏の中での役割について教えてください。
楽器を始めたきっかけや、好きな所もお聞かせいただければ。

低音をいかしたベースラインや、リズム隊として大活躍のファゴット!
ぬくもりのある音色が魅力

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中田小弥香(ファゴット):ファゴットは木管五重奏の中で一番低い声部を担当しています。ピアノに例えると、左手で弾くベースラインを演奏することが多いです。
それから、オーケストラやブラスバンドではパーカッションが担当しているリズム隊の役割を担うこともあります。
木管五重奏という編成は、それぞれの楽器の音色が違うところが非常に魅力的です。ファゴットが木管五重奏の中でメロディを吹く時は、オーケストラなど大きな編成の中で出てくるソロとはまた違う面白さがあります。
より立体的に、目の前に迫ってくるように聴こえるはずです。

私は初めてファゴットをみたときに、まず形が好きになりました。目の前の部分でくるっとまがっていて、ニョキっと煙突が出ていて、その煙突がポコッと膨らんでいて・・・!
そして、一度聴いたら忘れられない、ぬくもりのある音色が好きです。
ファゴットを吹いている人は皆さんとても個性的で面白いので、そこも好きです(笑)


合唱でいう真ん中のパートを担当するクラリネットは何でもできる器用な楽器
演奏する時に指がいっぱい動く見た目もかっこいい!

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尾上昌弘(クラリネット):クラリネットは「内声」という、合唱でいうアルトやテノールのような真ん中のパートを担当しています。
木管五重奏の中ではファゴットやホルンについていったり、フルートやオーボエとハモったり、とても器用な楽器です。一番いい所で目立つこともできるし、陰でかっこいい役割もあります。

吹奏楽がきっかけでクラリネットを始めました。最初は金管楽器を吹いていたのですが、クラリネットの楽譜には音がたくさん並んでいて、演奏する時に指がいっぱい動いていてかっこよかったので! 
見た目から入りましたが(笑)、柔らかな響きとか、華やかな音が出せるところが好きです。


音域が狭くてちょっと不器用だけれど・・・朗々とうたうメロディで本領発揮!
泣かせる音をもつ、オーボエ

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本多啓佑(オーボエ):オーボエが出せる音域って狭いんです。クラリネットより低い音は出ないし、フルートより高い音がでない、ちょっと不器用な楽器なんですけれど、木管五重奏の中で最も音色がはっきりしているのが特徴です。
ですから伴奏にまわって支えるというよりは、朗々と歌う旋律を吹くことが多いですね。
穏やかな旋律とか悲しげな旋律はオーボエで聴くのが一番いいなあと思いながら吹いています。

漠然とですが、もともと木管楽器がやりたいと思っていて部活で始めました。
「泣かせる音だな」と思ったのと、オーケストラの中で目立って旋律を吹いているのがいいなと思ったのがきっかけです。


全く個性が違う5つの音色の間を埋めて溶け込ませるホルン
木管五重奏の中で唯一の金管楽器

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嵯峨郁恵(ホルン):ホルンは音域が広い楽器なので、伴奏からメロディまで、たくさんの役割を受け持つことが多いです。
木管の中でただ一つの金管なので、力強い音を想像される方が多いと思いますが、柔らかさも魅力です。
もちろん金管楽器ならではの力強さも持っていますが、それぞれ全く違う音色を持つみんなの音の間を埋めて溶け込ませてゆくような接着剤、クッション材みたいな役割を持っていて、これが木管五重奏の中でのホルンの大きな役割だと思っています。

ホルンを始めたのは中学校の吹奏楽部の時です。
通っていた小学校にブラスバンドがあって入部したかったのですが、その学校を転校してしまって。転校先の学校にはブラスバンドがなく、次に転校した学校にもなく...中学校でやっと念願がかないました。
希望楽器のアンケートには、確かクラリネット、サックス、トランペットの3つを記入したと思います。
ホルンと決まった時、形も思い浮かばず、音が出るかも分からず、とにかく不安でしたが、すぐに惹かれていきました!

トリトンアーツ:木管五重奏なのに、なぜ金管楽器のホルンがいるのでしょうか?

中田小弥香(ファゴット):もともとフルートが王様の楽器で、それ以外の楽器(オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット)は民衆の楽器だったので、ベートーヴェンの時代の管楽合奏では、オーボエ2本、クラリネット2本、ファゴット2本、ホルン2本という編成で演奏することが主でした。
より少ない人数で演奏にするときにそれぞれの楽器を一本ずつにして、そこに王様の楽器のフルートに入ってもらって、木管五重奏という編成が出来上がりました。つまり、ホルンが加わったというよりも、フルートの方が後から加わったと言えますね。


フルートは主にメロディを担当
メロディ以外でも、みんなの演奏にハーモニーで色を添えるために大忙し!

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梶川真歩(フルート):フルートは、普段はソロやピアノとのデュオ以外に、小さい編成で演奏する機会があまり多くないので、木管五重奏は他の楽器とのアンサンブルを経験できる、すごくたのしいところです。
役割としては、メロディを受け持つことが多いのですが、木管五重奏ではメロディとベースラインの間を埋める内声部を充実させたり、対旋律(主旋律と対になるメロディ)を魅力的に演奏するなど、色を添えるような役割も多い。ハーモニーや、一緒に演奏する人を活かすためにどうしたらよいか等、とても頭を使うので面白いです!

小さい頃から習っていたピアノは練習が嫌で小学4年生で辞めてしまったのですが、5年生の時に友人に誘われて行ったコンサートでフルートを見て、聴いて、「素敵! いつかあの楽器を吹いてみたい!」と憧れて。
中学校の吹奏楽部でフルートを手にすると、不思議! ピアノの練習はあんなに辛かったのに、フルートはもう面白くて面白くて...
早く学校へ行き朝練、昼休みも、部活の時間も、もう夢中で練習しました。
今思うと、小さい頃からお祭りのお囃子が大好きでしたし、旅行先のお土産屋さんで、いつも木の横笛を見つけてワクワクし手に取って、縦笛だとガッカリしたり。
そうした出会いと興味の下地がしっかりあったからかもしれません。

*  *  *

トンちゃん:木管五重奏って、見た目も音も全然違う楽器が5つも集まっていて、おもしろいね!

とりさん:音色や音域が違うからこそ、うまく役割を分担出来て、楽しい音楽を演奏できるんだね。

トンちゃん:あと、吹奏楽の部活で楽器を始めた人が多いんだね! たしかに、学校の音楽室でよく見かける楽器がたくさんあるね! なんだか親近感がわいちゃったよ。

つづく(インタビュー②へ)

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雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第26回
アンサンブル・ミクスト(木管五重奏)

■日時:2021年8月25日(水)11:15開演
■会場:第一生命ホール
■出演アンサンブル・ミクスト(木管五重奏)
[梶川真歩(フルート) 本多啓佑(オーボエ)  尾上昌弘(クラリネット) 嵯峨郁恵(ホルン) 中田小弥香(ファゴット)]
山野雄大(プレトーク、音楽ライター)
■曲目
ロッシーニ:歌劇≪セビリアの理髪師≫ 序曲
イベール:3つの小品
モーツァルト:きらきら星変奏曲 K265 (フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲)
ヒンデミット:小室内楽曲 Op. 24-2

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