第一生命ホールを拠点とする「トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)」が誕生してから3年。いよいよ11月11日は、「晴れオケ」本番、オーケストラの演奏会です。
前回に続いて、『チェロ首席奏者の山本裕康さんが語る「晴れオケ」の魅力』では、「晴れオケ」の2人のキーパーソンをご紹介します。
コンサートマスター矢部達哉さん
(C)大窪道治
「あれだけソロが弾けるのに、こんなにオーケストラが好きな人もめずらしいと思います。矢部さんの耳はものすごく良いので、このオーケストラで一番恐い想いをしているのは第1ヴァイオリンでしょうね。
弦楽器のメンバーは若い人が多いので、矢部さんからぜひ色々学んでほしい。矢部さんの技術や音というよりは、彼の"耳の開き方"を吸収してほしいなと思います。若いメンバーはすばらしい人ばかりで、すばらしいからこそ、僕たち世代も伝えていかなくてはいけないと思うし、伝えるにはこちらも勉強していないといけないですね」
首席コントラバス奏者・池松宏さん
「矢部さんもすごいのですが、コントラバスの池松宏さんもすごい人です。
僕は、オーケストラの低音の聴こえ方として、まずチェロが出てコントラバスがついてくるのは「かっこ悪い」と思うんです。コントラバスがある上にチェロが乗っているのが理想です。
『晴れオケ』ではコントラバス首席の池松さんから、(チェロ首席である)僕が合図をもらうこともある。コントラバスの方が後ろにいるから、普通は不可能なのですが(笑)。僕が合図すると、じゃま、と言われる。確かに合図で合わせようとするとそこで音楽が止まるわけです。だから、ずっと同じ呼吸をしているのが理想ですね。
時に池松さんは、矢部さんのテンポをわざと乱している。それで良い響きが生まれることがあるのです」
そんな山本裕康さんが、昨年の「晴れオケ」リハーサルについてつぶやいていたツィッターがこちら
今日矢部コンマスが、とある楽章で「冒頭は僕がテンポを示さず、3拍目で裕康さんにテンポを示して貰って良い?」と言って2度ほどやった。そしたら今度は池松(仮名)が「俺に任せて貰って良い?」と言ってそれを試したら凄く良い感じになった。僕から見えない人から合図を貰う、これだよ、極意は。
-- 山本裕康 (@celloyasu) 2016年9月19日
指揮なしで精緻なアンサンブルを奏でる「晴れオケ」のリハーサルの様子をよく表しています(笑)。皆さまも、ぜひ実際のコンサートでお聴きください。
(たな)
トリトン晴れた海のオーケストラ第3回演奏会
■日時:2017年11月11日(土) 14:00開演
■出演: トリトン晴れた海のオーケストラ
【オーボエ】広田智之※
【コンサートマスター】矢部達哉
【ヴァイオリン】双紙正哉 会田莉凡 景澤恵子 塩田脩 戸上眞里
直江智沙子 福崎雄也* 松浦奈々 三原久遠 渡邉ゆづき
【ヴィオラ】篠﨑友美 瀧本麻衣子* 福田道子* 村田恵子
【チェロ】山本裕康 清水詩織 森山涼介 【コントラバス】池松宏 佐野央子
【フルート】小池郁江 斎藤光晴 【オーボエ】池田昭子 大島弥州夫
【クラリネット】三界秀実 糸井裕美子 【ファゴット】岡本正之 岩佐雅美
【ホルン】西條貴人 和田博史 【トランペット】高橋敦 中山隆崇
【ティンパニ】岡田 全弘
■演奏プログラム <オール・モーツァルト・プログラム>
歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492
オーボエ協奏曲 ハ長調 K314 ※独奏:広田智之(オーボエ)
セレナータ・ノットゥルナ ニ長調 K239
交響曲第39番 変ホ長調 K543
■S席¥6,000 A席¥5,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下)
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