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「クラシック音楽講座~ブラームスがお好き!」レポート その4

2016年4月13日
第一生命ホールでの「室内楽の魅力~ブラームス」シリーズ第3回は、堀正文ほかN響メンバーと萩原麻未(ピアノ)による「若き日の恋」と題した、弦楽六重奏曲第1番と、弦楽四重奏曲第1番の2本立て。公演日は、5月14日(土)です。
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上段左より堀正文さん(ヴァイオリン)、萩原麻未さん(ピアノ)、
下段左より森田昌弘さん(ヴァイオリン)、佐々木 亮さん(ヴィオラ)、中村翔太郎さん(ヴィオラ)、
木越 洋さん(チェロ)、宮坂拡志さん(チェロ)
トリトン・アーツ・ネットワークがシリーズ開始に先駆けて実施した、昨年秋の中央区民カレッジ講座「楽器体験つきで楽しむクラシック音楽講座~ブラームスがお好き!」(全4回)での、楽しいお話で毎度おなじみ、昭和音楽大学教授の有田栄先生の講義から、今回もブラームスを、より楽しむためのポイントをレポートいたします!
「ブラームスと弦楽器」がテーマの第2回講座では、≪弦楽六重奏曲第1番≫についての解説もありました。先生のお話によれば......
ブラームスが書いた弦楽器のみによる室内楽は、次のとおり。
弦楽四重奏曲が3曲(Op.51-1、51-2、67)
弦楽五重奏曲が2曲(Op.88、Op.111)
弦楽六重奏曲が2曲(Op.18、Op.36)
ここで、それぞれの曲のOp(作品番号)に注目してください。ブラームスの場合、作品番号は、だいたい作曲された年の順に並んでいます。つまり早い番号ほど、若い時期に書かれた作品、遅い番号ほど齢をとって書かれたものです。そう思って見てみると、室内楽の基本であるはずの弦楽四重奏曲3曲は作品番号が遅く、弦楽六重奏曲は比較的若い頃に書かれたのが分かります。
弦楽四重奏曲の傑作を数々生み出したベートーヴェンを意識して、なかなか納得いくものが書けずにいたブラームス。そんな若き日、ヴィオラとチェロを1つずつ増やした弦楽六重奏曲を書いてみたところ、なかなかいいものが書けてしまったのです! ブラームスにとっては、中音域(ヴィオラ)や低音域(チェロ)を、高音域(ヴァイオリン)と同じバランスで構成する弦楽六重奏の方が、弦楽四重奏より作り易かったのですね。そういえば、ブラームスの音楽は、中身がぎっしりつまって、重い感じがしませんか? それはヴィオラやチェロのパートに、音がぎっしりつまっているからなのです。
以上、先生のお話抜粋でした。なるほど確かに、ブラームスの中音域、低音域は魅力的ですよね。彼のキャラクターに合った≪弦楽六重奏曲第1番≫が名曲中の名曲なのも納得です。
この≪弦楽六重奏曲第1番≫の中低音の魅力、ぜひ皆さまも(講座でも音源提供にご協力いただいている)ナクソス・ミュージック・ライブラリーで視聴してみてください。中でも、映画音楽などにも使われて一番人気の第2楽章が特におすすめ!ブラームスの哀愁、慟哭、情熱に、これでもかと浸ることができます。
♪ ブラームス:弦楽六重奏曲第1番
(第2楽章はトラック2)
有田先生によれば、この第2楽章のメロディーは、バロック時代の弦楽器の名手コレッリのソナタOp.5-12「ラ・フォリア」がもとになっているのだそうです。講座の中でも聴いた音源を比べてみましょう。
♪ コレッリ:「ラ・フォリア」
いかがですか? これを、少し細部を変えてロマン風に書くことで、あの第2楽章にしてしまうとは、さすがブラームスですね。
この名曲を、どうぞ名手たちによる演奏、第一生命ホールの音響でお楽しみください。
(たな)
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〈ウィークエンド・コンサート〉
室内楽の魅力
ブラームス第3回~若き日の恋
堀 正文たち N響メンバー with 萩原麻未
2016年5月14日(土) 14:00
◆出演:
堀 正文/森田昌弘(ヴァイオリン) 
佐々木 亮/中村翔太郎(ヴィオラ)
木越 洋/宮坂拡志(チェロ)
萩原麻未(ピアノ)
◆演奏プログラム
ブラームス:
弦楽六重奏曲第1番変ロ長調Op.18
ピアノ四重奏曲第1番ト短調Op.25
◆料金
S席5,000円 A席4,500円 B席3,500円
ヤング1,500円(25歳以下)
◆チケットのご予約・お問い合わせ
トリトンアーツ・チケットデスク
TEL:03-3532-5702(平日11:00~18:00)
公演詳細は こちら
堀正文と萩原麻未のインタビューは こちら
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