お昼の時間帯に一流演奏家のみなさんをお迎えして、クラシック音楽をもっと身近に楽しんでいただこうというこのシリーズ「昼の音楽さんぽ」。
2015年10月に、今最も輝くソプラノ歌手・小林沙羅さんが登場します!
コンサートのご案内役である山野雄大さんによる、小林さんのインタビューを連載中です!
<前回までのインタビュー>
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何度歌っても新たな発見があるというイタリア歌曲の難しさと美しさ。
イタリア語という言葉が持っている特徴と、国としての気質を現地にて肌で感じている小林沙羅さん。
対照的だというドイツ歌曲の世界との聴き比べもおススメです。
山野:小林さんの演奏活動の3つ目の軸である、イタリアものについてお聞かせください。
小林:今回取り上げるイタリア歌曲は結構歌い込んでいる曲なのですが、何度歌っても新たな発見があります。というより、何度歌っても難しいなと思う曲ですね!イタリアものって詩の内容も割とシンプルだし、メロディもシンプルなんですけれど、シンプルだからこその難しさがあって、その辺はドイツ歌曲と全然違います。私は発声法をあまり大きく使い分けようとはしていないのですが、でもやっぱりドイツ歌曲を歌う発声とイタリアものを歌う発声って、自ずと変わってくるんですよね、曲に導かれるようにして。
イタリアものはドイツものに比べ、メロディの流れが大事になってくると思うので、メロディの流れを損なわずに美しく言葉を乗せていくという作業になります。
山野:すごく大雑把な質問ですが、国としての気質の違いなのでしょうか?それともイタリア語、ドイツ語の仕組みの違いなのでしょうか?
![1510-12_lunchitime_concert.jpgのサムネール画像](https://www.triton-arts.net/data/blog/assets_c/2015/08/1510-12_lunchitime_concert-thumb-200x282-3158-thumb-250x352-3159.jpg)
小林:もちろん、その言葉のもっている性格というものもあるとは思います。イタリア語は母音が多いので言葉が母音で綺麗につながっていく。だからメロディーラインをつくりやすいんです。ドイツ語は子音がたくさんあるので、子音による表現の面白さがあります。メロディーラインももちろん大事ですけれど、言葉の子音が持っている性格・表現の面白さを伝えることになります。言葉をひとつひとつはっきりと発音していくだけでも面白い音楽的表現が出来ます。
でもやはり国としての気質もあるなって思いますね。イタリア人は陽気で、「まあ難しいことはいいよ!美味しいものを食べて、愛し合って、楽しく歌えれば人生それが一番だよ!」という様な気質がありますよね。悲しい歌を歌っていてもどこかに明るいものやキラッとするものがあるという、そういう気質が。
逆にドイツは、冬の間は外がずっと暗いんですよね。暗い中で哲学的なこと、人生のこととか、色んなことを深く考えていて。すごく論理的な思考をしていて、例えば「僕はこう思う、私はこう思う、あなたのここは間違っている」と、自分の意見としてはっきり言うことが当たり前という世界がドイツにはあります。
山野:ではドイツやオーストリアの先生とイタリアの先生では教え方が全然違うとか?
小林:全く違いますね。それが面白いです。
山野:その両方を知っているのは小林さんならではの強みですね。
(つづく)
この続きは、9月8日(火)に当ブログへ更新予定!
次回の連載もお楽しみに!
(スタッフ・みや)
雄大と行く 昼の音楽さんぽ
第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅
日時:2015年10月6日(火) 11:00 開演(12:30終演予定)
会場:第一生命ホール
出演:小林沙羅(ソプラノ) 河野紘子(ピアノ)
山野雄大(ご案内)
料金:■一般¥2,000
■2公演(第3・4回)セット券¥3,000
■お友だち割¥1,500(同一公演3枚以上で1枚あたり)
*2公演セット券は「第4回 福川伸陽&三浦友理枝 ホルンとピアノの万華鏡」(12月15日(火))とのセットです。