9月21日に、第一生命ホールから近い晴海幼稚園で実施した、弦楽四重奏団「Quartet MIYABI」によるアウトリーチの模様をお伝えします。
インターンの西江さんによるレポートです。
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晴海幼稚園でのアウトリーチはQuartet MIYABIが演奏を担当しました。1回目は年長組約40人を対象に30分間、2回目は年少・年中組約80人を対象に25分間、みんなが知っている曲や動物の鳴き声の出てくる馴染みやすい曲目の演奏、楽器に関するお話をしてもらいました。また、保護者の方にもご覧いただきました。
今回は、丸みを帯びたお部屋の形を生かして、Quartet MIYABIの4人を取り囲む形態で子ども達に座ってもらいました。それにあわせてQuartet MIYABIも、いつものフォーメーションではなく、円を作って外向きになるように座って演奏しました。
さらに席替えをしたり、子ども達の近くを歩いたりする工夫のおかげで、みんなが演奏者の間近で、楽器や演奏者の様子を見られたと思います。
人数も多く、様々な投げかけに対し、「はい!」「はい!」「はい!」と元気いっぱいに手を挙げてくれる子どもが多く、終始大賑わいの様子でしたが、そんな子ども達も演奏が始まったとたんに、まるで音楽の魔法にかかったようにQuartet MIYABIの4人にくぎ付け。瞬く間に静かになり豊かな弦楽四重奏の響きが部屋中に広がりました。
年中・年少組では物珍しそうな様子で演奏者を見つめていた子ども達も少なくありませんでしたが、晴海幼稚園では毎年アウトリーチを行っているためか、年長組では、Quartet MIYABIの皆さんが登場するやいなや、「知ってるー!」「チェロ―!」「ヴァイオリン―!!」と大きな声で教えてくれた子ども達がたくさんいました。
一番印象に残っているは、Quartet MIYABIの伴奏で子ども達が園歌や童謡を歌う姿です。自分達のよく知っている曲を耳にした瞬間に表情が変わり、歌詞を口ずさむ姿はとてもほほえましく、まさに音楽の楽しさを感じているようにみえました。今までの音楽体験と今日の音楽体験とがつながった瞬間だったのではないかと思います。
片づけや着替えを終えたQuartet MIYABIが幼稚園の玄関を出たとき、子ども達がススッと追いかけてきて笑顔で「ねーねー、たのしかったよー!」と声をかけてくれました。
Quartet MIYABIの4人もとっても嬉しそうな表情を浮かべてハイタッチで応えていました。
まだ上手く感じたことを言葉で言えない年齢の子ども達にも、生演奏を通してなにか心に残るものがあったのかもしれません。じっと音楽に耳を傾けるという体験が、豊かな感性を育むと確信させられる出来事でした。
(インターン 西江美月)